野田哲也/Tetsuya Noda
撮影:月刊ギャラリー編集部
日本を代表する版画家の一人。東京藝術大学名誉教授。熊本県出身。
1968年以降写真を使ったシルクスクリーンと木版を組み合わせて自身の日常の断片を描いた「日記シリーズ」で独自の作品世界を作り上げ国際的な評価を受けてきました。
多色刷り木版と、写真をベースにシルクスクリーンというユニークな組み合わせを手漉き和紙の上に表現した「日記シリーズ」という作品群をドリット夫人との出会いから今日まで創作しつづけています。
日記をテーマにしている為、全ての版画のタイトルは、「日付」となっており、自らの作品については、「見る人の想像力をくすぐるような、抽象的なもの、ミステリアスなもの、ユーモラスな要素が好き。同時に現実的な配置のなかにどれだけ抽象的な要素を盛り込めるかということを見せたい」と2014大英博物館での野田哲也展にて語っています。
略歴
- 1940年
- 熊本県生まれ
- 1965年
- 東京芸術大学大学院 絵画研究科油絵専攻修了
- 1978年
- 東京芸術大学美術学部版画研究室講師
助教授(’81)
教授(’91)
名誉教授(’07) - 東京藝術大学美術学部講師
客員芸術家としてカナダ、アルバータ大学(’84)
オーストラリア、キャンベラ美術校(’90)
アメリカ、コロンビア大学(’98)などで教える。 - また、第5回英国国際版画ビエンナーレ(’76)
第10回ソウル国際版画ビエンナーレ(’96)
第1回イスタンブール国際版画ビエンナーレ(’08)
第2回バンコック国際版画、素描トリエンナーレ(’08)
第2回中国、現瀾国際版画双年展(’09)などで国際審査員を勤める。 - 文化庁文化交流使としてイスラエル、イギリスで日本の木版画を教える(’10)。
主な展覧会と受賞
- 1968年
- 東京国際版画ビエンナーレ国際大賞
- 1971年
- サンパウロビエンナーレ
- 1972年
- ベニスビエンナーレ(グラフィックインターナショナル部門)
- 1974年
- 英国国際版画ビエンナーレ
- 1977年
- リュブリアナ国際版画ビエンナーレ大賞
機械化されたイメージ:20世紀版画の歴史的展望 (イギリスアートカウンシル主催イギリス巡回展) - 1978年
- ノルウェー国際版画ビエンナーレ 大賞
- 1980年
- 刷られた芸術:20年間の展望(ニューヨーク近代美術館)
- 1983年
- 1900年以後の日本の版画(大英博物館)
- 1987年
- リュブリアナ国際版画ビエンナーレ名誉大賞
1900年以後の日本の版画(大英博物館) - 1990年
- 20世紀日本版画の革新と伝統(アメリカ、シンシナテイ美術館)
- 1992年
- 戦後の日本版画(町田市立国際版画美術館)
- 1998年
- フォトイメージ:60年代から90年代の版画(ボストン美術館)
- 2000年
- 日本美術の20世紀(東京都現代美術館)
- 2002年
- 未完の世紀:20世紀美術がのこすもの(東京国立近代美術館)
- 2003年
- 紫綬褒章を受ける。
「野田哲也の版画」(中央美術学院美術館、北京) - 2004年
- 「ある人生の日々:野田哲也の芸術」(サンフランシスコ、アジア美術館)
- 2005年
- 「野田哲也版画の世界」(宇城市不知火美術館、熊本)
- 2006年
- 現代の版画 – 写真の活用とイメージの変容(東京国立近代美術館)
「野田哲也 日記」展(現代グラフィックアートセンター、郡山) - 2007年
- 「野田哲也 日記」展 (東京芸術大学大学美術館)
ロンドン、メトロポリタン大学より名誉博士号を受ける。 - 2008年
- 「アジアとヨーロッパの肖像」(大阪、国立国際美術館)
- 2010年
- 都市を観る 2010上海国際版画展(上海虹橋当代藝術館)
- 2012年
- 「野田哲也」展(和歌山県立近代美術館)
- 2013年
- 春の名品コレクション展「野田哲也の版画」(熊本県立美術館)
- 2014年
- 5月~10月大英博物館 日本館にて個展
撮影:月刊ギャラリー編集部